墓石を掃除する際にたわしを使用する人は多いですが、石材を傷つけないためにはその選び方と使い方に注意が必要です。
まず最も重要なのは、金属製のたわしを使わないことです。
ステンレスや銅線でできたものはたとえ軽くこすっただけでも表面に細かい傷をつけてしまい、そこに汚れがたまりやすくなってしまいます。
掃除の際は、ナイロンや植物繊維などでできた柔らかいタイプのたわしを選ぶのが基本です。
墓石は一見丈夫に見えても長年の風雨にさらされて劣化している場合が多く、強い力で擦ると表面の艶が失われたり目に見えないひびが生じることがあります。
作業は必ず水で濡らしながら行い、乾いた状態でこすらないようにすることも大切です。
たわしの毛先が短くなってきたら交換し、劣化した道具を使い続けないこともポイントです。
使用後は墓石の表面をしっかり水で洗い流し、乾いた布で水分を拭き取って仕上げます。
これにより、水垢やカビの発生を防ぐことができます。
日頃の手入れで行うこの作業は、故人への敬意を形にする時間でもあります。
大切なのは、清掃という行為そのものに心を込めることです。