家族の誰かが亡くなった際、資産の相続だけでなく「お墓」を引き継ぐかどうかも判断が求められます。
特に相続放棄を選ぶケースでは注意が必要です。
一般的に相続放棄とは相続財産全体の放棄を指し、借金や不動産などと一緒に一切の権利を放棄するという行為になります。
しかし墓所や仏壇などの「祭祀財産」は、民法上では相続財産とは区別されており相続放棄をしても自動的に放棄されるものではありません。
そのためたとえ負債などを理由に他の財産を放棄しても、墓地や位牌にの管理責任は残る可能性があります。
こうした責任を免れるには家庭裁判所に申し立てて、祭祀承継者の指定変更を受ける必要があるのです。
管理を続けられない場合墓じまいや永代供養を検討することも選択肢となりますが、これにも一定の費用と手続きが伴います。
放棄したつもりでも実際には管理責任が生じる場合があるため専門家の助言を仰ぎながら、お墓で親族間で今後の扱いについてよく話し合っておくことが不可欠です。
単なる財産とは異なる性質を持つ墓地には、法的な知識と実務的な配慮の両面から慎重な判断が求められます。